PROFILE
| 国籍・地域 | インド |
|---|---|
| 性別 | 男性 |
| 大学 | プネ大学 |
| 学部 | 電子通信工学 |
| 内定先企業 | 発電所や受変電設備、交通、工場などの社会インフラ設備の建設を通じ、産業・社会の発展を支える基盤づくりが主な事業領域 |
父から聞いた日本人の同僚の話が、キャリアを考えるきっかけに
私が10歳くらいの頃、父はよく、同じチームで働いていた日本人の同僚について話してくれました。
当時の私はそれほど関心を持っていませんでしたが、父は、日本人の仕事に対する姿勢や考え方にとても感銘を受けていました。時間を守ること、規律正しく行動すること、謙虚であること。そして何より、仕事の安全を常に最優先する姿勢を高く評価していました。
父の目には、日本の働く人々や企業がとても優れた存在として映っていたのだと思います。
それから年月がたち、まさかインド人である私自身が、日本でエンジニアとして働くことになるとは、当時は想像もしていませんでした。
私がプネ大学に進学し、電子通信工学を専攻するようになると、父から聞いていた日本の話が急に身近なものに感じられるようになりました。
専門分野について学びを深めるなかで、日本がクラウドコンピューティングや人工知能、オートメーション、ロボット工学などの先端技術で高い水準にあることを知ったからです。また、日本には研究開発に携われる仕事が数多くあることも分かりました。
インドには優秀なエンジニアが大勢いますが、希望に合う求人が十分にあるとは限りません。一方、日本では人口減少などを背景に、技術職の人材が求められています。
父から何年も日本の話を聞くうちに、「いつか日本で働いてみたい」という思いは、次第にはっきりとした夢へ変わっていきました。そして私は、エンジニアとして日本で暮らし、働くことを目指すようになりました。
大学2年生のときには、日本語の授業を受け始めました。しかし、数週間後に新型コロナウイルスの感染が拡大し、授業は中断されてしまいました。そのため、N5レベルの勉強を再開できたのは、大学の最終学年になってからでした。
日本語学習を再開できた頃には卒業が間近に迫っており、日本で新卒として就職するための準備が間に合いませんでした。そのため、卒業後はインドの企業に就職し、日本のクライアントと関わる仕事を担当しました。
ただ、そこでは大学で学んだことや、自分が本当にやりたいことを十分に活かすことができませんでした。一方で、日本人と一緒に仕事をするなかで、「やはり自分は日本で働きたい」とあらためて強く感じるようになりました。
そこで、一度は諦めかけていた日本就職の夢にもう一度挑戦するため、フルタイムで働きながら日本語の勉強を続けることにしました。
仕事と日本語学習の両立は簡単ではありませんでした。それでも、長年の夢を実現したいという気持ちがあったので、最後までやり遂げようと努力しました。
正直に言うと、当時の仕事にはあまりやりがいを感じられていませんでした。日本で働くことができれば、新しい生活を楽しめるだけでなく、エンジニアとして自分の情熱を追求できるのではないかと考えていました。
そして次第に、日本の研究開発チームに加わり、技術への情熱や自分のスキルを生かしたいという目標が明確になっていきました。
FAST OFFER Internationalを通じて、日本での就職活動をスタート
私が通っていた日本語教育プログラムがFAST OFFER Internationalと提携していたことは、とても幸運でした。
日本語を1年間学んだ後、FAST OFFER Internationalのサポートを受けながら、具体的な就職活動へ進むことができました。外国人材を積極的に採用している日本企業のエンジニア職を紹介してもらえたのです。
私は、自己紹介や大学の最終学年で取り組んだプロジェクト、日本で働きたい理由などを1分間のPR動画にまとめて提出しました。FAST OFFER Internationalは、その動画とプロフィールを、製品開発を行う複数の日本企業へ紹介してくれました。
約1カ月後、私は4社の面接候補者に選ばれました。そして、企業との対面面接を受けるため、渡航費のサポートを受けて日本へ行けることになりました。
FAST OFFER Internationalのメンターは、私の面接対策に多くの時間をかけてくれました。日本語による模擬面接を何度も行い、受け答えを一緒に練習しました。
実は、メンターとの模擬面接が、それまで学んできた日本語を正式な場で使う初めての経験でした。事前に繰り返し練習したことで、本番でも自分の力をできる限り発揮できたと思います。
流暢に話せたわけではありませんが、メンターのサポートのおかげで、日本語の面接にも落ち着いて対応できるようになりました。
初めての海外旅行――面接を受けるため日本へ
FAST OFFER Internationalのサポートで実現した日本への渡航は、私にとって初めての海外旅行でもありました。
当時は運悪くひどい風邪をひいており、ずっとマスクを着け、咳もなかなか止まりませんでした。それでも、初めて日本に来られたことがうれしく、興奮はまったく冷めませんでした。
日本に到着した日、FAST OFFER Internationalのガイドから「自由時間に何をしたいですか」と聞かれ、真っ先に思い浮かんだのが、日本のコンビニへ行くことでした。
日本語の授業では、コンビニでの会話を何度も練習していました。そのため、日本のコンビニがどれほど便利なのか、自分の目で確かめてみたかったのです。
実際にコンビニへ入り、風邪で痛めた喉を温めるためにホットコーヒーを買ったときは、授業で練習してきた場面を本当に体験していることが、どこか不思議に感じられました。
2日目には、採用面接へ向かうため、初めて新幹線に乗りました。
YouTubeの動画で見たことがあったので、私も新幹線がどのくらい揺れないのか楽しみにしていました。評判どおり車内はとても安定していて、コーヒーを一滴もこぼすことなく、ゆっくりとくつろぐことができました。新幹線は時間どおり、何の問題もなく目的地に到着しました。
滞在期間は1週間ほどでしたが、コンビニやゲームセンターに行ったほか、アメ横、渋谷スクランブルスクエア、明治神宮、新宿の東京都庁など、さまざまな場所を訪れることができました。
日本で過ごす時間を心から楽しんでいたので、面接でも、日本で働きたいという私の熱意が自然と伝わったのではないかと思います。
日本語に自信がなくても、自分の思いを伝えた面接
面接を受けた4社のうち、1社は日本でもよく知られている大企業でした。
その会社の面接を受けられるだけでも幸運だと思いましたが、正直なところ、「自分が合格するのは難しいだろう」と考えていました。それでも、挑戦する機会をもらえたことがうれしかったです。
当時の私は、決して日本語が流暢だったわけではありません。ただ、自分自身には自信を持っていました。
日本語力を気にしすぎず、自分ができる範囲で、できる限り分かりやすく答えることを意識しました。伝えたい内容を正確に表現するために、必要に応じて日本語のなかに英単語を交えることもありました。
完璧な日本語を話そうとするよりも、自分の考えを明確かつ簡潔に伝えることに集中したのです。この姿勢を、面接官の方々も評価してくださったのではないかと思います。
企業側も、私の日本語力を含めたプロフィールを事前に把握していました。そのうえで、私の決意や自信、仕事に対する姿勢を見てくれていました。私自身も面接官も、企業が私に求めているのは完璧な日本語ではないと分かっていたのです。
面接官の方々は、外国人候補者の語学力について、現実的かつ柔軟に考えてくれていました。それ以上に重視していたのは、人柄や、言葉の壁があっても自分の考えを伝えようとする姿勢、そして技術力でした。
インターンシップや大学の最終学年で取り組んだプロジェクトの経験があり、その内容が募集している仕事に合っているかどうかも重要だったと思います。
最終面接が終わった後は、結果が気になって落ち着きませんでした。面接はどれも順調に進んだと感じていたので、合格しているだろうという期待がありました。
メンターは何度もアドバイスをくれ、精神的にも支えてくれました。私が結果を待っている間も、辛抱強く寄り添ってくれたことに感謝しています。
そしてついに、4社すべての結果をまとめて教えてもらいました。
驚いたことに、私が「合格するのは難しいだろう」と思っていた、あの大企業から内定をいただくことができたのです。
あまりに驚いて、最初はどう反応すればよいのか分かりませんでした。
日本でエンジニアとして働くという長年の夢が、ついに現実になった瞬間でした。
日本の大手グローバル企業から内定
大企業から内定をいただいたと知ったときは、すぐにでも契約書へサインしたい気持ちでした。
しかし、この選択は今後の人生を大きく左右する重要な決断です。その場ですぐに決めるのではなく、少し時間を置いて慎重に考えることにしました。
翌日には会社を訪問し、工場も見学させてもらいました。実際の職場を見て、ますます入社したいという気持ちが強くなりましたが、まずは落ち着いて考え、家族や先生、友人の意見も聞こうと思いました。
いったんインドへ帰国し、身近な人たちに相談したうえで、最終的に契約書へサインしました。
契約から6カ月後、4月入社の新入社員に加わるため、再び日本へ渡りました。
入社後は3カ月間の研修を受け、その後、OJTの一環として各部署の仕事を1週間ずつ経験しました。複数の部署で実際に働いたうえで、最終的に自分に最も合う部署を選ぶことができました。
それまで、先輩たちから日本で働いた経験について話を聞くことはたくさんありました。そのため、自分自身が日本企業へ入社するという大きな節目を迎えられたことを、とてもうれしく思っています。
そして今、インド人エンジニアとして、日本での仕事を心から楽しんでいることを皆さんにお伝えできるのもうれしいです。
エンジニアとして働きながら、日本での生活を満喫
現在、私は日本での生活をとても楽しんでいます。
週末になると家にこもることなく、さまざまな場所へ出かけています。日本で暮らすことは本当に楽しく、いつか日本全国を旅行することが目標です。
日本で暮らすなかで、国籍を超えた幅広いコミュニティにも出会うことができました。インド、マレーシア、インドネシア、中国などから来た人たちだけでなく、日本人の友人もたくさんできました。
一方で、苦労していることを一つ挙げるとすれば、やはり言葉です。
日本へ来て約半年がたちましたが、まだ流暢に話すことはできませんし、語彙力も十分ではありません。これから少しずつ上達していくと思いますが、日常生活のほとんどが日本語なので、今でも難しさを感じる場面はたくさんあります。
それでも、日本の人たちは、私のつたない日本語にもとても親切に接してくれます。一生懸命に耳を傾け、何を伝えようとしているのか理解しようとしてくれます。
言葉に苦労することはあっても、周囲の人たちの優しさに触れられることを、とてもうれしく感じています。
日本で働きたいインド人エンジニアへのアドバイス
大学の最終学年で取り組むプロジェクトを大切にする
大学の最終学年で取り組んだプロジェクトは、日本企業へ提出するPR動画でも紹介することになります。そのため、できれば日本で希望する仕事と関連するテーマを選ぶことをおすすめします。
まだ大学に在籍している人にとって、最終学年のプロジェクトは、将来の仕事につながる基礎になる可能性があります。
自分が興味を持って取り組めるテーマや方法を選び、最後まで全力で取り組んでください。
日本語は会話の練習を重視する
日本語能力試験(JLPT)は、主に日本語の語彙や文法、読解、聴解の力を測る試験です。N4やN3に合格することで、日本での就職活動に参加できる機会も広がります。
ただし、実際の面接では、JLPTの結果だけが重視されるわけではありません。
大切なのは、今持っている日本語力を使って、自分の考えを相手に伝えることです。完璧な日本語を話す必要はありません。たとえ使える言葉が限られていても、相手に伝えようとする姿勢とコミュニケーション力が重要です。
読み書きは就職後も学び続けられますが、面接へ備えるためには、まず日本語を実際に話す練習を優先することをおすすめします。
毎日少しずつでも勉強する時間をつくり、週末には2~3時間ほど集中して学習を続けてみてください。
エンジニアとしての技術力を磨く
日本で就職するためには日本語の勉強が欠かせません。そのため、つい日本語学習だけに意識が向いてしまうことがあります。
しかし、実際にエンジニアとして採用されるために最も大切なのは、やはり技術力です。
最終学年の学生の場合、企業は実務経験ではなく、大学で身につけた技術やプロジェクトの内容を確認します。選考のなかで技術力を測るテストが行われることもあります。
特に大企業を目指す場合、面接へ進む前に、難易度の高いオンライン技術試験を受けることがあります。日本語だけでなく、専門分野の知識や技術もしっかりと磨いておきましょう。
日本へ来るなら、使い慣れたスパイスを忘れずに
日本にもインド料理店はたくさんあります。多くの町には、ネパール人が経営するインド・ネパール料理店があります。
もちろん、そうしたお店の料理もおいしいのですが、東京以外では、日本人の好みに合わせた味付けになっていることが多いです。そのため、インドで食べ慣れたスパイシーな料理とは少し違うかもしれません。
自分の好みに合った料理を食べたい場合は、自炊するのが一番だと思います。私も東京以外の地域で一人暮らしをしており、ほぼ毎日、自分で料理をしています。
インドから来る際には、普段使っているスパイスやレンズ豆、使い慣れた圧力鍋などを持ってくると便利です。
日本でもインドのスパイスを購入することはできますが、輸入品のため、インドで買う場合と比べてかなり高価になることがあります。
FAST OFFER Internationalの手厚いサポート
私が日本で就職するまでの体験を皆さんにお伝えしたいと思ったのは、FAST OFFER Internationalに心から感謝しているからです。
FAST OFFER Internationalのサポートがあったからこそ、インド人である私が日本でエンジニアとして働くまでの道のりを、スムーズに進むことができました。
就職活動の準備を始めたときから、実際に日本で働き始めるまで、あらゆる場面で支えてもらいました。
私が無料で受けたサポートには、次のようなものがあります。
- 日本語講座
- 採用面接を受けるための日本渡航
- 在留資格認定証明書および就労ビザの申請手続き
- 日本での住所や電話番号の取得・登録に関するサポート
私のために力を尽くしてくれたFAST OFFER Internationalの皆さんには、本当に感謝しています。
この体験談が、FAST OFFER Internationalを通じて日本就職という夢を追いかけている人たちに、少しでも勇気を与えられたらうれしいです。
自分には難しいと思っていた夢でも、適切なサポートを受け、一歩ずつ努力を続ければ、きっと実現に近づけるはずです。