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優秀な外国人材を新卒採用するための「募集〜選考過程」でのポイント

目次

ASIAtoJAPANでは、無料日本語授業を通じてアジアの優秀な理系学生に日本語を教え、一定レベルの日本語力に達した生徒を海外から日本での面接会に誘致する日本語研修プログラム「Study Go Work JAPAN」を提供している。アジア圏の上位に位置する16もの大学と提携し、母国でしっかりと機械や電気、コンピューターサイエンス、経営などを専攻してきた学生を日本で採用できるスキームを確立してきた。

 

実際に2018年の1年間で150名以上もの外国人学生が日本国内の企業で就職を果たした。ほとんどの学生が自国で学んだ専攻分野の知識を活かせる仕事に就き、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得して日本で活躍している。

 

本記事では、これまでのASIAtoJAPANの経験やクライアント企業の事例から、優秀な外国人人材を採用するためのポイントを前後編に分けて紹介する。前編では内定に至るまでの選考過程での注意点を見ていこう。

 

オフィスで握手

 

求人票に具体的な業務内容を記載する

大前提として、ハローワークや自社HP、人材サービスを通じて公募を行う際の「求人票」をしっかりと作成する必要がある。労働条件を明示するのはもちろんだが、業務内容を具体的に記載するのも重要なポイントだ。

 

よく言われるように、「総合職でさまざまな業務を経験する」というのは日本特有の習慣。外国では学校で学んだ専攻や専門に関連した職に就くのが一般的だ。業務内容を「営業とその他不随する業務」など、曖昧に記載しているケースもあるが、これでは外国籍人材がどのような仕事を行うのかをイメージするのは難しい。

 

「どのような業務で専門性を活かすことができるのか」

「どのような経験ができ、どうやって専門性を高めることができるのか」

 

上記の観点を意識し、具体的な業務内容を盛り込んだ求人票を作成することが、外国籍人材の雇用への第一歩となる。

履歴書では「GPA」と大学のランクをチェック

日本人と外国籍人材の履歴書の大きな違いは「GPA」のポイントが記載されている点にある。GPAとは「Grade Point Average」の略で、欧米の多くの大学で成績の指標として取り入れられている。最高点は4で、優・良・可で3、2、1とポイントが下がっていく。3.0以上であれば学業をきちんと頑張ったと見ていいだろう。

 

また、その国での大学のランクも合わせて確認したい。特に中国やインドでは人口が多い分、上位校には熾烈な競争を勝ち抜いてきた優秀な人材が多く集まっている。大学のランクは検索すれば分かることが多いが、国によっては膨大な数の大学があることも。例えば日本の大学数は800弱だが、中国では3,000近くもの大学が存在する。自社で大学のランクが判断ができない場合は専門家に確認するのが確実だ。

重視すべきは日本語レベルより「専門性」と「人間性」

選考での最大の注意点は、日本語能力にこだわり過ぎないこと。日本語検定N1を採用条件にする企業は多いが、日本語能力以上に重要なのは専門性と人間性だ。日本人の採用面接と同じように、「どのような人生を歩んできたのか?」「どのような専門性を持っているのか?」「何をやりたいのか?」「自社の価値観と合っているのか?」といった点をしっかり確認することを強く勧めたい。

 

もちろん専門性や人間性が優れている上に日本語能力も高ければ言うことはないが、日本語能力が高い外国人人材が必ずしも優秀なわけではないという事実は念頭に置くべきだろう。

 

もしも日本語能力を重要視するポジションなのであれば、日本語検定のレベルだけでなく、本人が日本語を習得するまでの努力や背景も確認したい。仮に日本語レベルの水準を満たしていなかったとしても、今後の伸びしろを判断できるはずだ。

 

>>後編:優秀な外国人人材を採用するための「内定〜定着まで」のポイント

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