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マレーシア採用ポイントは「給与」と「グローバル」。マレーシア科学大学(USM)日本語研修クラスの学生に聞く、就職事情

マレーシア科学大学の日本語クラス

マレーシア科学大学 (Universiti Sains Malaysia/USM)でASIAtoJAPANが提供している日本語研修クラスの学生にインタビューを実施した。ここではマレーシア学生の就職事情をご紹介する。
マレーシアの学生の就職活動は、卒業してから行うのが一般的。マレーシア科学大学の場合は年に2回、3月と10月に大学内での就職イベントがあるが、大学生も卒業生もどちらも参加するという。
就職活動は、メールでレジュメを送り、電話インタビューをした後、直接面接をして採用が決定する。1回の面接で採用が決まることは日本との大きな違いだ。
会社選びは転職サイトを使い、「第二新卒OK」の企業を探すようなイメージで選ぶ。企業ホームページから直接問い合わせるケースも多く、他に学部や先輩からの推薦で就職が決まることもある。大学での専攻を活かした就職が難しいケースもあり、専攻と関係のない会社を選ぶことも珍しくない。
人気企業は学部によって変わるが、総じて政府機関と大手企業が人気だ。そしてキーワードとなるのがグローバル。行きたい会社を尋ねると「インテル」「オスラム」「アジレント・テクノロジー」「東レ」などの社名が上がった。特に東レはキャンパス内に大きな東レUSM会館があり、身近に感じているようだ。
行きたい日本の会社を聞くと、花王や日立の社名が出た。勉強している分野と仕事が合致すること、そして製品がマレーシア国内で有名であることが理由として上がった。
マレーシア国内では就職後、2年に1回ほどの頻度で転職をするのが一般的。転職をしないと役職も給料も上がらないというのが大きな要因だ。「もし給料が上がるのであれば転職はしない?」という質問に、全員が大きく頷いた。他には、医療や住居の福利厚生がほしい、海外で働きたいなどが主な転職の動機となる。やはりグローバルは重要なキーワードと言える。

マレーシア科学大学の日本語クラス

日本語研修授業を担当する先生は、4年間の日本滞在経験がある。日本人とマレーシア人の仕事への考え方の違いを、先生は次のように話す。
「日本人はシステマチックで働き者。マレーシアは残業がなく、仕事量が多ければ直接上司に文句を言うことが一般的なので、この点はかなりのギャップがあります。ただ、マレーシア人は日本の会社に行けば、日本人と同じように働こうとする人が多いです。精神的に強いですし、日本の会社は一生懸命仕事をすれば、頑張りを認めてもらえて、その分昇進できる。これはマレーシアの学生にとって大きなモチベーションです」
「ずっと日本で働きたいと希望するマレーシア人はたくさんいる」と先生。給与水準の高さや充実した福利厚生、そして国の安全性が魅力となっている。
一方で、マレーシア人学生が日本で働く上での悩みの筆頭に上がるのが、人間関係だ。言葉の壁というよりは、同僚に考え方の違いを理解してもらえないと悩む人は少なくない。先述した通り、マレーシアでは残業がないのが当たり前であるといったバックグラウンドの違いを踏まえ、コミュニケーションを取ることがポイントとなる。

 


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